『ターミナル』
基本情報:
– タイトル:ターミナル(The Terminal)
– 公開年:2004年
– 受賞歴:サテライト賞アート・ディレクション賞
– 評価:8.5/10
あらすじ:
①母国クラコジアで発生したクーデターにより、アメリカ入国も帰国もできなくなったヴィクター・ナヴォルスキ。ニューヨークのJFK空港のターミナルで9ヶ月以上を過ごす中、様々な人々との交流を通じて新しい人生を見出していく。
②東欧の架空の国クラコジアからニューヨークに到着したヴィクター。しかし到着直後、母国でクーデターが発生。パスポートが無効となり、入国も帰国もできない状態に陥る。空港警備局長のディクソンは冷淡な態度でヴィクターを扱うが、彼は持ち前の優しさと工夫で空港内での生活を確立していく。清掃員として働き始め、スチュワーデスのアメリアとの恋、様々な空港スタッフとの交流を通じて、ターミナルは彼の第二の故郷となっていく。
③実話を基にした物語ながら、スピルバーグらしい人間愛に溢れた演出が光る。特にトム・ハンクスの繊細な演技により、言葉の通じない異邦人の戸惑いと希望が見事に表現されている。
制作スタッフ:
– 監督:スティーヴン・スピルバーグ
– 脚本:サチャ・ガーヴェイシ、ジェフ・ネイサンソン
– 音楽:ジョン・ウィリアムズ
– 撮影:ヤヌシュ・カミンスキー
キャスト:
– 主演:トム・ハンクス(ヴィクター・ナヴォルスキ役)
– 助演:キャサリン・ゼタ=ジョーンズ(アメリア役)
– その他:スタンリー・トゥッチ(ディクソン役)、ディエゴ・ルナ、ゾーイ・サルダナ
ジャンル:
コメディドラマ、ヒューマンドラマ、ロマンス
批評:
①国籍や言語を超えた人間同士の繋がりの素晴らしさを描く
②トム・ハンクスの演技とスピルバーグの演出が見事に調和している
③後半のロマンス展開がやや唐突で説得力に欠ける
④9.11後のアメリカ社会を背景に、「他者」への理解と寛容を訴える寓話として高い評価を受けている